はじめに
Blenderで作業を進めるうえで欠かせないのが「選択操作」です。オブジェクトや頂点を素早く選び分けることで、モデリングやアニメーション作業が大幅に効率化できます。この記事では、Blenderの選択操作に特化した便利なショートカットやコツを紹介します。
オブジェクトを効率よく選択する方法
オブジェクトモードでは、モデル全体を扱うための基本操作が中心です。
1つのオブジェクトだけでなく、複数のモデルをまとめて扱うときに役立つショートカットを覚えておきましょう。
- 左クリック:オブジェクトを選択
- Shift + 左クリック:複数のオブジェクトを追加選択
- Aキー:すべて選択
- Alt + Aキー:すべての選択を解除
- Bキー:ドラッグ範囲でまとめて選択(ボックス選択)
- Cキー:円形のブラシで選択(サークル選択)
- Ctrl + Lキー:同じリンクデータを持つオブジェクトを選択
たとえば複数のライトを一括で移動させたい場合や、同じマテリアルを使っているモデルだけを選択したい場合にも便利です。
編集モードでの選択テクニック
編集モードでは、オブジェクト内部の構成要素(頂点・辺・面)を細かく操作します。
選択方法を使い分けることで、必要な部分だけを効率的に編集できます。
| 選択対象 | 切り替えショートカット |
|---|---|
| 頂点選択 | 1キー |
| 辺選択 | 2キー |
| 面選択 | 3キー |
それぞれの選択操作は以下の通りです。
- 左クリック:要素を選択
- Shift + 左クリック:追加・解除
- Aキー:全選択/解除
- Bキー:範囲をボックスで選択
- Cキー:ブラシでなぞるように選択
- Ctrl + Lキー:つながった部分(リンク)をまとめて選択
- Lキー:マウス位置のつながりを選択
- Ctrl + Iキー:選択の反転
部分的に細かい形状を扱う場合、「ワイヤーフレーム表示(Zキー → ワイヤーフレーム)」に切り替えると、奥側の要素も選択できるようになります。
作業効率を上げる便利操作
選択関連のショートカットは、モデリング作業をスピードアップさせる鍵です。
よく使うものをいくつかピックアップします。
- Alt + 左クリック:ループ選択(連続した辺や面を一度に選択)
- Shift + Alt + 左クリック:ループを追加選択
- Ctrl + +/-(テンキー):選択範囲を拡大/縮小
- Shift + G:類似選択(法線角度やマテリアルが同じ面などを自動で選択)
これらを組み合わせることで、モデル全体を一気に整えることも可能です。
よくある選択操作の問題と対処法
これらのトラブルは、最初に混乱しやすい部分ですが、原因を理解しておくとすぐ解決できます。
「クリックできない」「裏側が選べない」「複数が動かない」などの問題は、モード・表示・選択制限の確認でほぼ解消できます。
クリックしてもオブジェクトが選択できない
原因:
- ビューレイヤーで「選択禁止(カーソルアイコン)」がオフになっている
- オブジェクトが非表示/ロックされている
- 別のモード(例:編集モードやスカルプトモード)になっている
対処法:
右側のアウトライナーで、対象オブジェクトの「目(表示)」「カーソル(選択)」アイコンを確認しましょう。
また、モードが「オブジェクトモード」になっているかもチェックします。

編集モードで一部の頂点・辺・面が選べない
原因:
- 表面しか選択できない「ソリッド表示」になっている
- 裏側が視界に隠れていてクリックできない
対処法:
Zキー → ワイヤーフレームに切り替えると、裏側の要素も選択可能になります。
もしくは「透過表示」ボタン(ビューポート右上の重なった四角アイコン)をオンにします。

思ったところと違う部分が選択される
原因:
- スナップ機能やマウスの精度により、奥のオブジェクトを選択してしまう
- 編集モードで複数の要素が重なっている
対処法:
- 「X線表示(透過)」をオフにして手前だけ選択

- あるいは、**オブジェクトの隠し表示(Hキー)**で他を一時的に非表示にする
表示・非表示の操作については、基本の手順とコツを別記事で解説しています。
👉Blenderでオブジェクトを表示・非表示にする方法を徹底解説
選択が解除できない/勝手に全選択になる
原因:
Aキーを複数回押した際の挙動を理解していないケースが多いです。
対処法:
Blenderでは Aキーを1回押すと「全選択」、Aキーを2回連続で押すと「全解除」になります。
意図せず全選択された場合は、Aキーを2回連続で押せば解除可能です。

複数オブジェクトをまとめて編集できない
原因:
編集モードでは「1つのオブジェクト」しか編集できません。複数オブジェクトを一度に選択しても、他は非アクティブ状態になります。
対処法:
- 複数のオブジェクトを1つにまとめたい場合は、Ctrl + Jキーで結合(Join)します。

- 結合後に編集モードへ入れば、全体を同時に編集できます。

まとめ
Blenderの選択操作は、作業スピードに直結する重要なスキルです。
単にクリックで選ぶだけでなく、ショートカットを組み合わせて効率化することで、モデリングの流れが格段にスムーズになります。
特に「A」「B」「C」「Alt+左クリック」などは毎回使う基本操作なので、手が自然に動くようになるまで練習してみましょう。
